和菓子このわの取り組み
ソーラーパネルやリチウム電池は、
「製造過程で多くのエネルギーを使い、むしろ環境を壊すのではないか」──
そう語られることがあります。
確かに、その見方には一理あります。
製造段階では、
ソーラーパネル1kWあたりのライフサイクル排出量は 約40〜60 g-CO₂/kWh。
リチウム電池は製造時に大きなエネルギーを要し、
容量1kWhあたり 50〜100 kg-CO₂ 程度と言われています。
しかし──
運用段階に入れば化石燃料に依存せず長期的に電力を生み出すため、
**数年でカーボンペイバック(製造時のCO₂排出を相殺)**できます。
その後は使うほどCO₂削減に寄与するのです。
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🌱 このわ独自の取り組み
「このわ」の特徴的なポイントは、
和菓子製造時に出た炭素を農業で回収する仕組みを持っていること。
・小豆の皮などの副産物を「ぼかし肥料」にして土に戻す。
・自家製バイオ炭や有機物を土壌に入れ、炭素を安定的に固定。
・一部の畑では耕運機を使わず「不耕起栽培」でCO₂を削減。
こうして農業自体が炭素を吸収する仕組みになっています。
さらに──
・太陽光で農業倉庫を稼働し、温度保管を維持。
・小型EVを走らせ、化石燃料消費を削減。
・電動草刈り機や井戸ポンプも、太陽光で発電した電気で賄う。
つまり──
製造時に排出されたCO₂を超える形で、
農業と循環によって大地に炭素を戻し、
“排出より削減が上回る循環” を生み出し
スイーツ産業の中でも珍しい「カーボンネガティブ的」な要素を持っています。
🔋 電気のありがたさ
私は日々、太陽光と循環農業を通して 「電気のありがたさ」 を体験しています。
発電して、貯めて、配って、足りなければ我慢する。
その中で「1kWhの価値」がどれほど大きいかを知りました。
電気はタダじゃない。
送電網を守り、発電所を動かし、燃料を輸入し続けて──
ようやく今の料金で私たちは電気を使えているのです。
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⚡️ 善悪二元論ではなく
「原子力ダメ」
「ソーラーダメ」
「LNGで発電してもっと安く」
そんな評論は簡単です。
でも、本当に汗を流し、土に触れ、手を動かした人にしか分からない真実があります。
ソーラーパネルや電池を「環境破壊の象徴」と切り捨てるのではなく、
自然の循環と結びつけて活かす発想こそが、これからの社会に必要だと思います。
ただ消費して終わるのか。
それとも、未来へ何かをプラスできるのか。
和菓子このわは、後者を選び続けます。
これからも現場の声を大切にし、
循環を重ねながら前へ進んでいきます。