朝5時半、近くの定食屋さんで朝食をとりました。
定食は666円──安いなぁ、これではほとんど利益が残らないはず…。
目の前では、従業員さんがワンオペで製造からレジまでをこなし、無機質に「レシートは要りますか」と声をかけていました。製造中にも関わらずお会計を急ぐお客さん。まるで今の社会の縮図を見ているようでした。
帰り際に「全部ひとりでされているんですか」と尋ねると、人手不足でわざわざ小倉から宗像のお店に応援に来ているとのこと。
お会計を済ませた後、自動販売機で栄養ドリンクを買い、彼に渡しました。すると一気に表情が明るくなり、とても喜んでくださったのです。
誰にも感謝されない仕事なら、自信もやりがいも失われてしまう。
でも、人のために働く姿は本当に尊い。
「ありがとう」の一言で、その人の中に再び力や誇りが生まれるのだと気づきました。
1 次産業も2次産業も、そして介護や医療、物流といったエッセンシャルワーカーの仕事も給料は安い。
それなのに感謝もされず、さらに給料からは家賃や通信費といった固定費の支払いが必ず発生します。
民主主義といえど、利用料を払い続けるために働き続ける。
現代のサブスク社会は、“強制労働2.0”なのかもしれません。
制度がどう変わろうと──国債であれ、自国通貨であれ、デジタルコインであれ──
ものづくりの立場は変わらず、労働はただ消費され続け、
「何のために生きているのか」と問うことさえできないまま、歳を重ねてしまうのかもしれません。
だから私は、感謝の循環と自立という、もう一つの道を選びたいのです。
「本当に守られるべき弱者とは誰なのか?」
「私たちはどう生きるべきか?」
その答えは、制度ではなく、一人ひとりの生き方にあると信じています。
「働かされる」のではなく、**「自ら働くことで解放される」**──
そして、その価値を受け取る消費者も、感謝の気持ちを忘れず、しっかりと向き合うべき。
それが、和菓子このわの答えです。
持続可能性、本質的な豊かさ、そして社会に灯をともすモデルとして。
制度や体制ではなく、人がどう生きるかに未来があると信じています。