バイオチャー(バイオ炭)を活用した果樹栽培について
当店では、持続可能な和菓子作りを目指し、6次産業化を推進しております。その一環として、果樹の剪定で出た枝などを無煙炭化器でバイオ炭にし、土壌に戻す循環型農業を実践しています。
バイオ炭を土に還すことで、その多孔質構造を活かし、微生物のすみかを作ることで土壌を改良し、活性化させる力が生まれます。さらに、「うどん屋 月うさぎ」さんからいただいた出汁ガラを使ってぼかし肥料を作り、有機肥料と微生物の共生を促進。果樹にとってより良い環境を整えています。
魚の骨やガラには、植物の成長に欠かせない三大栄養素の一つであるリンが豊富に含まれており、桃の実を甘く、大きく、おいしく育てる働きがあります。また、微生物と果樹の根との共生(菌根菌)によって、豊かな実りをもたらすと考えています。
さらに、昨年収穫したお米の稲藁を果樹の周りに敷き詰めることで、雑草の繁殖を抑え、土壌の保湿や微生物の活動を助けています。
こうした工夫を重ねながら、持続可能な農業を実践する中で、私自身の考え方も少しずつ変化してきました。
農業を始めた頃、まさか生活必需品がここまで高騰するとは想像もしていませんでした。「たくさんお金を出せば買えるわけだし、そこまで気にしなくても」と言う人もいますが、商売を続けお客様に手に取っていただくことの難しさを知る経営者としては、決してそう簡単に割り切れるものではありません。
そんな中、今日SNSで、この違和感を見事に表現した言葉を見つけました。
「生きること」と「お金を稼ぐこと(ビジネス)」を切り離して考える。
現代は、「お金がなければ生きていけない」という社会にすっかり変わってしまいました。気づけば私自身も、この二つの事象を混同して考えていたように思います。
しかし、自然と向き合い、資源を循環させながら農業を続けるうちに、本来の「生きる力」とは何かを改めて考えさせられました。
お金を稼ぐことだけに囚われるのではなく、お金がなくても自立し、豊かに生きていける自分 でありたい——そう強く思うようになったのです。
農業に従事し新たな考え方で和菓子作りに挑戦出来て私は幸せです。