読み込み中

このわのブログ

本物とは

お彼岸期間、たくさんのお客様にお越しいただき、誠にありがとうございました。

あらゆるものが値上がりする中で、
本物とそうでないものの値段の差が縮まり、結果として「本物」が肩身の狭い思いをしながらひっそりと佇んでいる。

あまりにも面白くないこの世の中。

だからこそ、あえて逆風に逆らってみました。

小豆の王様「丹波大納言」
その味と風味は別格で、唯一無二。
しかし値段が高いためになかなか売れず、在庫が残り、古い小豆が流通してしまう──そんな連鎖が数年も繰り返されてきました。

「今こそ本物を知ってほしい」
そう思い、丹波大納言を炊いて粒あんに。
仕上げに宗像大島の塩で味を整えると
本当に美味しい粒あんになった

豆はほくほく。でんぷんの粒子を感じる独特の食感。香りも抜群。
丹波大納言ならではの、豊かで贅沢な味わいになりました。

お彼岸におはぎとして店頭に並べてみると──
このわにしては高めの価格にもかかわらず、売れる売れる。

「値段ではなく、本物の価値を選んでくださる」
お客様の想いに、心から感謝しました。

私は知っています。
田んぼで体に鎖を巻きつけて除草する農家さんを。
お茶畑で何キロも這いながら雑草を抜く農家さんを。
耕作放棄地や山林を守るため、木を伐って薪を作り、塩を炊く生産者さんを。
交配による効率化に流されず、原種のみどり米を守り続けた農家さんを。

値段でも効率でもなく──
覚悟と関係性。

それに命をかけている生産者こそが「本物」です。

これからも、このわは本物の生産者さんの作品と共に一歩ずつ
前へ前へ進んでいきます。

そして、お客様と共に。

カテゴリー