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このわ2.0のあの時。
固定費を下げ、農業という新しい投資をしながら、なんとか地上すれすれの高さで飛び続けていた。
絶対に心がけていたのは、このわの帳簿を欠かさず管理すること。
毎週、現金出納帳と実際の手元の現金を、1円の狂いもなく突き合わせた。
利益になっているか、そうでないか──ずっと、ずっと考えていた。
「これで大丈夫か」と、自分に問いかけながら過ぎていく毎日。
その最中に起こった、能登の地震。
そして翌日の、日航と自衛隊の事故。
忘れもしないこの2つの出来事が、私の考え方を180°変えた。
人々が悲しみに暮れる横で、
耐震基準のある企業の株は上がり、日航の株は下がっていった。
誰かの悲しみまでも、
誰かがお金に換えている。
この世界は、どんな時もゼロサムゲーム。
その現実に、やり場のない苛立ちと怒りを感じた。
そして覚悟したんだ。
他を見て、他の事象に振り回されてはいけない。
自分の価値は、自分で守るしかないのだと。
「負のエネルギーに立ち向かうのではなく、俺はそのエネルギーを吸収し推進力に変える」
──あの日、そう決意した。
例えば「あの人許せないよね!」という気持ち。
それを立ち止まって焚き付けるのではなく、前へ進む推進力に変える。
そして前へ、前へと進んだ結果、得た価値を誰かにそっと手を差し伸べる力に変えていく。
手渡すことで、自分自身の心が満たされる。
1円たりとも狂いのない利益から使うのは、あまりにも勿体ない。
でも、負のエネルギーなら──足元にいくらでも転がってる。
オセロが急に白に変わるように、
この世界だって満たされた空間に変わるはずだ。
みんな、やれるよね。
大丈夫。
俺が出来たんだから。
絶対大丈夫。
──俺が保証する。