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「再配列の時代」
“上”と“下”の苦しい狭間で、
誠実に商いを続けてきた社長たち。
派手な成功より、
堅実に利確を終えて静かに身を引いた投資家。
効率よりも品質を選び、
コツコツとものづくりを続けてきた生産者。
そして、
誰もが食べやすい値段で定食を出し続けた料理人。
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その人たちの時代が、
これから始まる。
見せかけの繁栄や数字の競争が終わり、
“信頼”と“継続”に価値が戻る時代。
それは、
地味で、静かで、誰も気づかないような波だけれど、
確実に流れを変えていく。
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本物とは、
人を圧倒する力ではなく、
人を安心させる力。
これから光が当たるのは、
派手に叫ぶ者ではなく、
静かにやり遂げてきた人たち。
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そして。
お金の大切さを知らない者。
労働の大切さを知らない者。
そのどちらも、
いずれ思い知る時が来るだろう。
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幼いころから、
“誰を信じ、誰に託すか”を教えられた人たちがいる。
その教育の本質は、
「選ばれた者になること」ではなく、
「人を見抜ける者になること」。
きっと彼らは、
与えることでしか見えない“本物の人間”を、
何度も見てきたのだろう。
だからこそ、
力のある者ほど静かで、
優しさの中に線を持っている。
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数年前、
新車のボルボを手放して、
14万km走った16万円の軽バンに乗り換えた。
あの頃、
“戦争はすぐに終わる”と誰もが言っていた。
けれど私は、
“備える”という、生き方を選んだ。
この先、
誰が梶を切ろうとも、海そのものが変わる。
だから――
沈まない生き方を選んだだけだ。