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― 必要な人に、必要なだけ ―
かつて、
このわも“売上”という波の上で生きていた。
どれだけ多く作り、どれだけ多く売るか。
それが「正しい努力」だと信じていた。
けれど、
どんなに売れても、
心の奥に“虚しさ”が残った。
作れば作るほど、
想いが薄まり、
和菓子が“商品”になっていく気がした。
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いま、このわはもう違う。
必要な人に、
必要なだけ、
和菓子を届ける。
それは、
数を減らすという意味ではない。
想いの密度を上げるということ。
一つの和菓子に、
農の手間、土の香り、人の笑顔、
そして“いのちの循環”を込めていく。
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お客様の数ではなく
“想いの通じる人”と繋がる。
このわは売上ではなく、
“信頼の温度”で動く。
何故なら、
作る者が使う者より下に置かれた瞬間、循環は止まるから。
はたらく者の尊厳が守られた時、経済は一気に循環するから。
そして、
この当たり前の事象を、
誰も口にしようとしない。
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私は、もう急がない。
心を込めて作る。
それが、
このわがたどり着いた“幸せ”の答え。
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和菓子とは、
“想いを渡すもの”だ。
そして、
その想いが誰かを満たし、
また次の誰かへと巡っていく。
その循環を守り続けるために、
私は、はたらく。
たとえ、どんな事象に遭遇したとしても——
売れるだろうという期待と欲を捨て、
作り過ぎず、
必要な人に必要なだけという、
ただその“簡単なルール”を守りさえすれば、
静かに、しかし確かに、
新しい循環が生まれていく。
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それが和菓子このわの在り方。
農から生まれた、
和菓子このわの経営理念。
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和菓子このわ
代表 中澤 力