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このわのブログ

視点の角度と感覚のお話し

和菓子を作っていると、

ふっと

真逆の力が加わる瞬間があります。

たとえば、わらび餅の生地を仕込む時。

半返し――

まだ火が通りきっていない状態を見計らい、

あえてヘラの回数を多めに、かき混ぜる。

すると、

力を入れていないのに

ふっと軽くなる瞬間が訪れます。

このタイミングで、

慌てず、ゆっくりと火を通す。

それだけで、

驚くほど滑らかで、

口溶けの良い生地に仕上がります。

何事にも、必ず「ポイント」があります。

それを

理屈ではなく、

感覚で掴めるかどうか。

そこが、

プロの世界の分かれ目だと思っています。

食品を扱う別の業界の方でも、

きっとこう思うはずです。

「うん、それ、わかる」

この感覚を一度でも掴めると、

データもレシピも

あまり気にならなくなります。

視野が、自然と広がる。

逆に、

物事を一方向からだけ見て、

そこに視点を固定してしまうと、

視野はどんどん狭くなっていきます。

職人の世界で言うと、

火が強すぎるのに

火加減を見直さず

「鍋が悪い」と言ってしまう

そんな状態。

さらに、

都市ガスよりプロパンガスが…

プロパンガスより炭の方が…

と、軸がぶれていき、

結果として、選択肢を

自分で狭めてしまう。

しかも一番もったいないのは、

お菓子作りが好きだったはずなのに、

お菓子作りで挫折してしまうこと。

これは、

「本当は生きるって楽しい」

はずなのに、

「生きることが苦しい」

と思ってしまうことと、よく似ています。

視野を広げるには、

教えられてきた常識や、

「人としての普通」から、

ほんの一歩、踏み出す勇気が必要です。

教えられたことを

教えられたままに。

それだけでは、

視野は広がらない。

常識とは、

少し違う角度から見えた景色のこと。

視点を変え、

ものごとを見る角度を

ほんの少し変えるだけで、

選択肢は、自然と増えていきます。

それが、

生きる力。

真面目に生きているのに、

なぜか苦しいと感じている人。

きっと、たくさんいると思います。

教えられたことを、

教えられた通りに、

しかも完璧にやってきた。

それは、

今までの構造の中では、

ちゃんと成立していた生き方でした。

だから間違っていない。

でも、

今はその前提そのものが

少しずつ変わり始めています。

これからは、

「正しくやること」よりも、

「どこで力を抜くか」。

「守ること」よりも、

「軽くすること」。

概念自体が、変わっていく。

真面目さが足りないのではなく、

視点を変えるタイミングが

来ているだけ。

ほんの少し、

見る角度を変えるだけで、

ふっと、また自然に息ができるようになる。

それもまた、

生きる力。

 

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